ピロリ菌とは

正式名称は“ヘリコバクター・ピロリ”と言います。
ピロリ菌の最も大きな特徴は、酸素の存在する大気中では発育しないことで、酸素にさらされると徐々に死滅していきます。グラム陰性桿菌に分類されます。ピロリ菌が強酸性下の胃の中で生育出来るのは、胃の中にある尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、アンモニアで酸を中和することにより、自身の周囲の酸を和らげているからと言われています。
ピロリ菌と胃・十二指腸潰瘍
胃粘膜を傷害し、胃を守っている粘液を減少させ胃炎や消化性潰瘍を発症させる要因になります。ピロリ菌感染していると血液中の白血球やリンパ球が付近に集まり、胃の粘膜が炎症を起こして胃炎を引き起こしたり、胃や十二指腸の粘膜が深くえぐられて消化性潰瘍を引き起こすと考えられています。慢性的な炎症が加わるため、胃がんのリスクが著しく高まることが最大の問題です。
ピロリ菌感染の診断と治療
当院ではピロリ菌感染の診断・治療を行っています。胃がん予防のため、早期除菌をお勧めします。
除菌にはプロトンポンプ阻害薬(胃酸の分泌を抑える薬)と抗生物質を1週間服用します。
当院では、必要なお薬を院内でお渡ししています。
服薬終了から4週間以降に除菌療法の効果判定を行います。除菌率は、70~90%とされています。除菌後の判定は、尿素呼気試験や便中ピロリ菌抗原検査で行います。
最初の除菌療法でうまくいかなかった場合は、違う薬剤を使って再度、除菌療法(二次除菌)を行うことが出来ます。